主な病気や症状
胸痛症候群・心臓神経症 etc
胸痛症候群・心臓神経症などに関して
・検査で明らかな原因が見つからず、原因の分からない胸痛を総じて胸痛症候群と呼ぶ事があります。比較的若い年代の女性に特に多いと言われています。実際にはかなりの患者さんがいるのではと感じています。報告によりますが、筋骨角系や神経系に由来する症状が多いとされています。日によって症状に変動があったりするのも特徴です。最近ではいわゆる自律神経失調や調節障害(OD)等との関与も疑われています。
・心臓神経症は、不安や緊張/ストレスが、胸の痛みや動悸などの症状として現れるものといわれています。環境の変化などにより不安やストレスが強い方、気分が不安定な方、比較的繊細なタイプの方などに多く発症する傾向があります。胸の痛み/動悸、息切れ/呼吸困難感などの他に、手足のしびれ/冷感/発汗、頭痛/めまいなどを伴う事があります。これらも最近では自律神経や調節障害等との関連も報告されています。
・そのような状態も疑われる方に、どこまで身体的な検査を行なっていくべきなのか、他の疾患(各種狭心症や肺やホルモン系の病気など)の除外検査をどこまで行なっていくべきなのか悩ましい部分があるのも事実です。適宜患者さんの病状や希望に応じて主治医との相談が望ましいと考えます。必要に応じて、内科だけでなく整形外科や心療内科等と連携が必要なケースもあります。
・主な対応としては、疾患情報の共有や生活改善に加え、少量のβ遮断剤で症状を安定化させたり、漢方薬等で経過をみていく事も多いです。病状や症状によっては少量の抗不安薬を使用したり、心療内科の専門医の意見をおききしながら併診させて頂くケースもあります。
・その他に比較的血管リスクのない比較的若い世代の方や女性などにおいて、胸痛を引き起こしやすい かつ 比較的よく遭遇しやすい疾患としては、テイーチェ症候群/肋軟骨関節炎(局所の炎症がみぞおちの剣状突起周辺や鎖骨と胸骨をつなぐ胸鎖関節などに起こる)、肋骨骨折、Precordial Catch Syndrome(プレコーディアル・キャッチ症候群)などがあげられます。いずれも実際には対症療法で経過をみていく事も多いです。